六ヶ所村(青森県)使用済み核燃料再処理工場
                ―― 資料およびリンク集

               *上から新しい順〜2012年6月5日
                       記事中の 〔 〕 部は引用者による補筆


宮古onWeb


■〔青森県〕知事「国は責任持ち判断を」 核燃サイクル
 2012年6月22日 読売新聞
 内閣府原子力委員会が21日に決定した核燃サイクル政策の選択肢。
有力視される2030年の原発比率15%では、使用済み核燃料の再処理と直接処分の併存を「採用するのが適切」とし、併存を推し進める内容となった。
8月頃とされる政府の選択肢の最終決定にも影響を与えそうだ。
決定について、三村〔青森県〕知事は「国は現実的に実現可能な政策について責任をもって判断していただきたい」とのコメントを発表した。
 「原子力委が発足して以来、50年以上継続してきた全量再処理を基本とする政策から柔軟な核燃料政策への転換を決定したことになる。極めて重要な意味を持つ」。
原子力委の鈴木達治郎委員長代理はこの日の会合で決定の意義を強調した。
 原子力委は原発比率0%では全量直接処分を採用すべきとしたが、15%で併存、20〜25%の場合は全量再処理が有力としながらも、メリットは併存でも得られるので、「将来の不確実性に対する柔軟性の確保を重視するなら併存を選択するのが有力」と結論づけた。
0%の場合は六ヶ所村の再処理工場は廃止。
それ以外は稼働させる。
 また、現行の全量再処理路線を変更する場合、「関連施設を受け入れた立地自治体との信頼関係を崩すことのないよう、国は県、市町村、地元住民と真摯(しんし)に対話を行い、政策変更の影響緩和に向けて万全の対策をとることが必要」と指摘した。
 会合後、近藤駿介原子力委委員長は「使用済み燃料を全部再処理しないといけないというのはどう考えてもおかしい。必要な場合は直接処分をできるように用意をしておくことは原子力発電を進められることにつながる」と記者団に述べた。
 原子力委の決定に対し、日本原燃は「資源の有効利用と放射性廃棄物の減容による環境への負荷軽減の観点から全量再処理路線を選択すべき」と訴えた。
六ヶ所村の古川健治村長は「まだ全量再処理になるか併存になるか決まっていないので議論を注視するしかない」と述べるにとどめた。

■ガラス固化試験 技術的課題多い中で再開
 2012年6月19日 読売新聞
 日本原燃は18日、使用済み核燃料再処理工場(六ヶ所村)の完成に向け、約3年半ぶりに最終準備段階となる「ガラス固化試験」を再開した。
技術的課題が多く、成否は専門家でも意見が分かれるが、試験結果は政府が検討している核燃サイクル政策の今後のあり方にも影響を及ぼすため、関係者は固唾(かたず)を飲んで見守っている。
 ガラス固化試験は、炉で使われるレンガの落下や高レベル放射性廃液に含まれる白金族元素の取り扱いなどの課題を抱えている。
 ガラス溶融炉で1月に起きたレンガの落下による目詰まりに関して、日本原燃は「炉の構造上、少量のレンガの剥離は免れない」と説明している。
 既に再処理を実用化しているフランスと日本の炉はレンガの使用の有無で異なる。
レンガを使わないフランス型は腐食が激しく炉を頻繁に入れ替える必要がある一方、日本型は長寿命だがレンガを巡るトラブルがつきまとう。
 原燃は、炉に急激な温度変化を与えないことや運転停止時にガラスをすべて抜き出すなど、運転方法の改善でレンガの詰まりは避けられると主張している。
 さらに試験を難しくするのが、ルテニウムなどの白金族元素だ。
炉の底にたまると、炉内の温度が不安定になりガラスが金属製容器に流下しにくくなる。
白金族元素の沈殿を防ぐため下部の温度を低めにするなど炉内の温度調整に高い技術が求められる。
 炉は高温で、危険な高レベル放射性廃液を扱うため隔離され、肉眼で内部を観察できない。
このため、炉内に設置した温度計の変化で中の様子を推測するしかなく、茨城県東海村の実規模大の試験機などで積み重ねてきた技術で対応する。
 ガラス固化技術を研究する東京工業大の竹下健二教授は「現在の炉では一つ一つの問題を対症療法で解決していくしかない。今までの経験で、だましだましだが動かしていける」と話すが、未知のトラブルや設備故障に見舞われる可能性も否定できない。
 一方、内閣府原子力委員会小委員会は核燃サイクル政策をめぐって、使用済み燃料を〈1〉全量再処理〈2〉再処理と地中に埋める直接処分の併存〈3〉全量直接処分の三つの選択肢への評価を取りまとめている。
政府のエネルギー・環境会議が8月頃に選択肢を絞る見通しだが、全量再処理と併存はいずれも再処理工場の稼働を前提としている。
 ガラス固化試験が失敗に終わり、工場の稼働のめどが立たなくなった場合、全量再処理と併存の選択肢は成り立たなくなる。
全量直接処分も使用済み燃料を最終処分する場所が決まるまでは実現不可能で、核燃サイクルの議論は大きく混乱しそうだ。

■使用済み核燃料再処理、操業最終準備の試験再開
 2012年6月18日 読売新聞
 日本原燃は18日、青森県六ヶ所村の使用済み核燃料再処理工場での本格操業に向けた最終準備段階となる「ガラス固化試験」を再開した。
 試験は2007年11月以降3回行われたものの全て失敗し、08年12月から中断していた。
試験の成否は、政府が夏頃をめどに結論を出す核燃サイクル政策のあり方にも影響を与えそうだ。
 試験は、使用済み燃料からウランやプルトニウムを抽出する過程で生じる高レベル放射性廃液を、溶かしたガラスと混ぜて金属製容器内で固める工程を確認するもの。
18日は午前8時に、ガラスと放射性物質を含まない模擬廃液がガラス溶融炉に投入され、ガラス固化体の製造が始まった。
今後は実際の廃液も使い、炉や関連設備が正常に作動して安定した運転ができるかを確認する。
 原燃は試験を今年1月にも再開する方針だったが、準備作業中に炉内のレンガが剥離するなどしたため先送りされていた。
試験が成功すれば工場は完成となり、地元自治体と安全協定を結んだうえで本格稼働するが、試験は少なくとも半年前後かかる見込みで、原燃が目指す10月の工場完成は難しいとみられる。
 再処理工場は1993年に着工し、97年に完成予定だったがトラブルが相次ぎ、18回の完成延期を繰り返してきた。
建設費は7600億円の見込みだったが、2兆円以上に膨れ上がった。

■原子力委員長代理が核燃料全量再処理「撤退を」
 2012年6月5日 読売新聞
 内閣府原子力委員会の鈴木達治郎委員長代理は、5日に開かれた原子力委定例会で、原子力発電所からの使用済み核燃料を再処理し、燃料として再利用する「核燃料サイクル」政策について、「全量再処理に積極的な合理性はなく、全量再処理から撤退することを明確にすべき」と述べた。
 国の原子力政策は、全量再処理を前提に核燃料サイクルを進めるとしている。
原子力委員が公式の場で、全量再処理からの撤退に言及するのは極めて異例。
 鈴木代理は「(再処理後のプルトニウムとウランを利用する)高速増殖炉は実用化が不確実」とし、青森県六ヶ所村での再処理事業も継続するかどうか検証すべきと指摘。
その上で、再処理と地中に埋める直接処分の併存策が合理的とした。


岩手日報

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