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■ メフン 新巻で知られる宮古市磯鶏(そけい)のマルヨウ鈴木商店。 ここで作られているメフンの存在を知っている人は、そう多くないだろう。 メフンは、鮭の腎臓の塩辛だ。 鮭の腎臓を塩だけで漬けたメフン。 うまい。 珍味といって、これほどうまい珍味もない。 なかでも鈴木商店のメフンは逸品だ。 鈴木商店のメフンを食べずして珍味を語ることなかれ―― 本気でそう思っている。 3.11大津波で鈴木商店がどうなったか、気がかりだった。 電話してみた。 「店も加工場も冷凍庫も失った。 磯鶏の別の場所で、8月のうちに店を開けたい」 そう言っていた。 メフンは、店以外の場所に保管していたものが、かろうじて残っていた。 さっそく送ってもらった。 鈴木商店のメフンは、いや、鈴木商店は不滅だった。 ● マルヨウ鈴木商店 〒027−0024 岩手県 宮古市 磯鶏3丁目2−33 рO193−63−2585 (3.11大津波後のアドレス) |
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■ 新巻 この冬の新巻は磯鶏(そけい)のマルヨウ鈴木商店に頼んだ。 3.11大津波の影響なのだろう、鮭が定置でも津軽石川でも不漁らしい。 手に入るかどうか心配していた。 が、すぐに送られてきた。 見事な新巻だ。 鮭を使った製品は、新巻やメフンのほかに、とば(冬葉)や白子の香味焼きがある。 牡蠣の燻製、烏賊の塩辛もうまい。 みな、無添加・無着色だ。 自然のうまみを引き出す―― ただそのことだけに鈴木さんの意識は向いているのだろう。 ● マルヨウ鈴木商店 〒027−0024 岩手県 宮古市 磯鶏3丁目2−33 рO193−63−2585 (3.11大津波後のアドレス) |
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■ 寒風にさらされ、うまくなれ 宮古で新巻鮭天日干し 2009年11月30日付 朝日新聞 岩手県沿岸地方の冬の風物詩、「新巻鮭」干しの作業が本格的に始まった。 宮古市磯鶏沖の鈴木商店の店先では、銀色に輝く鮭が並んで天日に干されていた。 新巻鮭は内臓などを取りのぞき、塩をしてねかせた後、水洗いをして天日で干す。 寒風にさらされると、うまみが引き出される。 同商店では今年は3500本を作る予定。 経営する鈴木洋さん(56)は 「丁寧にきれいにおいしく作らないとね」。 新着ニュース ■ 究極の無添加ソースを 宮古水産高が開発に挑戦 2012年5月9日付 岩手日報 宮古市磯鶏3丁目の宮古水産高(在原真校長、生徒347人)の生徒たちは、津波被害を乗り越えた同校OBの地元事業者と連携し、添加物を一切使用しない完全無添加ソースの研究開発を進めている。 宮古湾特産のカキの加工の際に生まれる煮汁を活用し、本物志向のソースづくりに挑戦。 将来は地元での製造・販売も視野に入れており、地域産業の高度化と今後の復興を担う若い力が着実に育っている。 無添加ソースの研究は、同校近くで魚介類卸業を営む鈴木商店の鈴木洋さん(58)が指導する。 鈴木さんは、新巻きザケなどの加工品に多くのファンがいる食の匠(たくみ)だ。 商品開発に向けた4月下旬の同校の実習。 同校食品家政科の生徒たちに、鈴木さんは 「市販ソースに入っている保存料や着色料は毒。 国の基準量を超えていないだけで何種類も入っている」 と食品成分を考えるきっかけを「辛口」に表現した。 同校OBの飛鳥方克吉宮古湾かき養殖組合長(49)が提供した旬のカキ20キロをボイルし、抽出した焦げ茶色のエキスは食欲をそそる磯の香り。 リンゴやタマネギ、ニンニクのすりおろし、無添加ワインなどを加え煮沸すると、調味料や保存料を一切入れない無添加ソースの試作第1号が完成した。 同科の藤原麗さん(2年)は「自然の味。冷めた方がまろやか」と市販品に負けない味に驚きの表情。 佐々木千弓希さん(同)は「着色料は気をつけていたけど、ソースは意識していなかった」と関心を高めた。 薫製や甘露煮づくりで生まれるカキの煮汁は現在、同地域で製品に活用している事業所はない。 ソースはコストが障壁となり大手の独占状態だ。 無添加ソースは同校実習施設の活用で一定量の生産が可能といい、今後は試作を繰り返し、商品化を目指す。
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